セラミック矯正のリスクとは?
正しいセラミック治療で守る一生の健康と美しさ
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エス歯科グループの最前線で活躍する歯科医師たちが、日々の診療に懸ける想いや、歯科医療のリアルな現場について語る連載企画、ドクターコラム。
患者様が生涯にわたってお口の健康を守り、人生100年時代を最高の笑顔で楽しんでいただくために。私たちが大切にしている医療への信念や、普段の診療の中ではなかなかお伝えしきれない高度な治療を支える裏側を、専門医の視点から定期的にお届けしていきます。
近年、短期間で歯並びが整う、手頃な費用で白く美しい歯になると大々的に宣伝されているセラミック矯正。魅力的なメリットが強調される一方で、治療後に顎が痛くなった、歯がしみるといったトラブルも報告されており、不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は新横浜エス歯科クリニックの花澤院長にからセラミック矯正のリスクや構造的な問題点、そして健康な歯を守りながら美しさを手に入れるためのセラミック治療のあり方について詳しくお話を伺いました。
目次
01花澤先生について
02.SNSで話題のセラミック矯正の実態とは
03.データの見せ方と本来のセラミック治療の価値
04.エス歯科のこだわりと後悔しない歯科医院の選び方
05.ご自身の歯と健康を守りながら美しさを叶えるために
花澤先生について
花澤先生が歯科医師を志した原体験や、複数の医院を行き来しながら多くの患者様と向き合う中で得られるやりがい、医療へのモチベーションについて伺いました。
自身の矯正治療が原点に。患者様の喜ぶ姿が最大のやりがい
――先生が歯科医師を志したきっかけや、日々の診療の中でやりがいを感じるのはどんな瞬間ですか?
一番のきっかけは、私自身が高校生の時に矯正治療を受けていたことです。それまではお口のことにあまり興味がなかったのですが、治療を通して歯に対する関心が生まれ、大学進学の際に歯学部という選択肢が出てきました。
日々の診療でやりがいを感じるのは、やはり自分が治療をしたことで患者様が喜んで帰ってくださる瞬間です。1日に何人もの患者様を診察しますが、直接感謝の言葉をいただけるというのは、当たり前のようでいてなかなかない職業だと実感しています。
また、複数の医院を行き来して診療している中で、先生の出勤日に合わせて予定を組みますと言してくださる患者様がいらっしゃることも嬉しいですね。患者様の生活予定の中で、私の歯科治療の優先順位を高く置いていただけていることに、大きな責任とやりがいを感じます。
SNSで話題のセラミック矯正の実態とは
短期間での歯並び改善を謳うセラミック矯正の仕組みと、見た目の美しさだけを最優先にした結果として引き起こされる機能不全や構造的なリスクについて解説します。
根本から歯を動かす矯正とは異なる、補綴的アプローチ
――SNS広告等で短期間で歯並びが整うと宣伝されているセラミック矯正ですが、そもそもどのような治療法なのでしょうか?従来の矯正治療との決定的な違いを教えてください。
まず大前提として、セラミック矯正には矯正という単語がついていますが、本来の矯正治療とは全く異なるアプローチです。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった従来の治療は、歯の根元から動かして自分の歯自体を理想的な位置に並べ替えるものです。対してセラミック矯正は、歯の根本的な位置関係は変えずに、歯の頭の部分を大きく削り、その上から被せ物をして歯の形や角度を再構築するという方法をとります。
学術的な分類で言えば、矯正治療というよりも、審美的・機能的な目的で行う補綴(ほてつ)治療に位置づけられます。
見た目重視の治療が引き起こす機能不全と、歯の寿命を縮めるリスク
――健康な歯を大きく削り、場合によっては神経を抜くことで、どのような悪影響やトラブルが考えられますか?
トラブルの多くは、機能的な状況をうまく作り出せていないことに起因します。パッと見の美しさだけに特化して治療を進めると、結果的に噛み合わせがずれてしまい、うまく噛めない、顎が痛いといった症状を引き起こすことがあります。
また、見た目を重視するあまり、健康な自分の歯を大きく削ったり、場合によっては抜かなくてもいい神経を抜いてしまうケースも見受けられます。一度削った歯や抜いた神経は二度と元には戻りません。神経を失った歯は失活歯と呼ばれ、神経が生きている健康な歯に比べて、免疫力や抵抗力が下がり、歯がしみやすくなったり、虫歯や歯周病になるリスクが高まるというデメリットがあります。
噛む力がおかしくなる?歯冠歯根軸不一致の恐ろしさ
――セラミック矯正の悪影響について調べると歯冠歯根軸不一致という言葉をよく目にしますが、これはどのような状態を指すのでしょうか?
少し専門的になりますが、あごの骨に埋まっている歯根と、実際に見えている歯冠の軸がずれてしまっている状態を指します。
本来、歯の頭は根っこの延長線上に真っ直ぐ生えています。しかし、例えば出っ歯でお悩みの方がセラミック矯正を行う場合、出ている根っこの角度はそのままで、見えている頭の部分だけを大きく削り、無理やり内側に引っ込めたような角度で被せ物を作ります。すると、根っこは斜め前を向いているのに、歯の頭は真っ直ぐ下を向いているという不自然な状態になります。
このように歯にかかる力の軸がずれると、噛むたびに不自然な負担がかかり、歯の根っこが割れてしまったり、被せ物が歪んで破損したりするリスクが非常に高くなります。
データの見せ方と本来のセラミック治療の価値
治療の生存率を示す表面的なデータの正しい捉え方や、審美面のコンプレックス解消・機能回復において本来のセラミック治療がもたらす高い価値と意義に迫ります。
表面的なデータに要注意。本来のセラミック治療との決定的な違い
――「セラミック矯正は欧米では施術後10年以上の生存率が90%を超えるので安心」といったように、データで説明されることもあるそうですが、このようなデータについて先生はどう思われますか?
そのデータと、SNSなどで宣伝されているセラミック矯正はまったく別物だと考えています。
セラミックを用いた治療そのものが悪いわけではありません。事前にCT検査などで骨格や噛み合わせをしっかりと診断し、機能的な条件を満たした上で行う包括的なセラミック治療であれば、生存率は当然高くなります。しかし、十分な診査・診断を行わず、ただ患者様の要望通りに削ってセラミックを被せただけの治療は、同じセラミックを被せるという行為であっても、クオリティや安全性において同列に語れるものではありません。表面的なデータだけを鵜呑みにするのは危険です。
コンプレックス解消や機能回復において、セラミック治療が発揮する真の価値
――リスクがある一方で、本来のセラミック治療にはどのような価値やメリットがあるとお考えですか?
天然の歯はできるだけ削らずに残すのが大前提ですが、セラミック治療が非常に有効なケースももちろんあります。
例えば、遺伝的な要因や薬剤の影響でホワイトニングでは色が白くならない歯に強いコンプレックスを抱えている方にとっては、審美面を改善することで精神的な悩みを解決する大きな力になります。
また、過去に治療した古い被せ物が多く入っており、虫歯や歯周病のリスクが高まっている方の場合、それらを一度外して、正しい噛み合わせで綺麗に再構築するという意味合いで行うセラミック治療は、非常に価値が高いと言えます。
年齢や社会的なお立場、時間の制約などで、どうしても長期間の矯正装置をつけられないという方もいらっしゃいます。そうした背景を汲み取り、精密な診断のもとでメリットとデメリットを丁寧にご説明し、患者様ご自身が納得して選択されるのであれば、セラミックを用いたアプローチは有益な選択肢になります。
エス歯科のこだわりと後悔しない歯科医院の選び方
エス歯科グループが安易な治療法を勧めない医療上の理由と、お口全体を捉える精密診断へのこだわり、そして患者様自身が後悔しない歯科医院を選ぶための実践的なポイントをお伝えします。
誤解を招かないために。エス歯科がセラミック矯正と呼ばない理由
――エス歯科グループでは、あえてセラミック矯正という言葉を使っていませんが、その理由を教えてください。
セラミック矯正と呼んでしまうと、私たちが大切にしている機能的な回復も考えた上での包括的なセラミック治療という本質的なニュアンスが薄れてしまうからです。
世間一般でその言葉が一人歩きしてしまっており、安易に削って見た目だけを変える治療だと誤解されるのを避けるため、あえて使っていません。患者様のご要望や必要性に応じてしっかり診断した上でご提案することは可能ですが、それをマーケティング的に矯正と呼ぶ必要はないと考えています。
なぜ悪くなったのかを解明する精密診断が、全ての治療の土台
――エス歯科が治療において原因究明や精密な診断に強くこだわっているのはなぜでしょうか?
今の日本には数多くの歯科医院がありますが、それでもお口のトラブルで困っている患者様は減っていません。
私は、正しく診断し、的確な治療計画を立てられることが全てだと思っています。なぜその歯が悪くなったのかという原因を根本から解明し、それに合わせた正しいアプローチを提供できるクリニックが増えれば、患者様がこんなに困ることは本来ないはずです。だからこそエス歯科では、精密な検査と診断に何よりもこだわり、困っている患者様を一人でも多く救いたいという思いで日々の診療にあたっています。
メリット・デメリットを包み隠さず伝え、お口全体を診てくれるかを見極める
――患者様が本当に信頼できる歯科医師見極めるためのポイントはありますか?
患者様のお話をどこまでしっかり聞いてくれて、お口の中全体の特徴を捉えた上で提案してくれるかを見極めてください。
単にここに虫歯がありますねと指摘するだけでなく、歯周病の状態、噛み合わせのバランス、あごの骨格など、全体を診てくれる先生が良いですね。患者様がこうなりたいと希望された時に、すぐにできますよと答える先生は少し注意が必要かもしれません。お口の状況は人それぞれ異なります。お顔やあごのバランスを考えるとこの方法は難しいけれど、別のアプローチなら理想に近づけますよ、と一人ひとりに合わせた提案と、メリット・デメリットを包み隠さず話してくれる先生を選ぶことをお勧めします。
ご自身の歯と健康を守りながら美しさを叶えるために
一生モノの美しい歯を長持ちさせるために不可欠な土台環境づくりや、将来的なトラブルを防ぎ、10年後・20年先もお口の機能を守り抜くための定期検診の重要性についてお聞きしました。
生涯美味しく食事ができる正しい治療を一緒に見つけましょう
――最後に、セラミック矯正のリスクを知って悩んでいる患者様や、健康を守りながら美しさを手に入れたいと願う方へメッセージをお願いします。
どのような治療を選択するにしても、まずはご自身のお口の中に興味を持ち、日頃のセルフケアと定期検診を欠かさないことが一番の防衛策です。
私はセラミック治療を行う際、必ず最初に歯周病のアプローチから始めます。これは家づくりに似ていて、土地となる歯周組織や歯茎がしっかりしていない所に、いくら立派な家、つまり美しいセラミックの歯を建てても長持ちしないからです。ベースとなる環境をしっかりと整えることが、治療を一生モノにするための絶対条件になります。
定期検診に通うことでトラブルを早期に発見できれば、歯を削る量も最小限に抑えることができます。
美しい歯を手に入れたいというお気持ちはとても素晴らしいものです。だからこそ、一時的な見た目だけでなく、10年後、20年後も美味しく食事ができるよう、お口の機能を守り抜く正しい治療を一緒に見つけていきましょう。お悩みがあれば、ぜひ一度ご相談にいらしてください。





