出っ歯(上顎前突)の矯正治療|原因・治し方・費用を専門医が徹底解説
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「口元の突出感が気になって、思い切り笑えない」「横顔のEラインがコンプレックスになっている」…多くの方が抱える「出っ歯」のお悩み。
実は、そのお悩みは単なる見た目の問題だけではありません。
出っ歯は専門的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」と呼ばれ、放置すると虫歯や歯周病のリスクを高めたり、全身の健康にまで影響を及ぼしたりする可能性のある、治療を要する医学的な状態なのです。
この記事では、出っ歯(上顎前突)になってしまう原因から、放置するリスク、そしてワイヤー矯正やマウスピース矯正(インビザライン)といった最新の治療法、気になる費用や期間まで、矯正歯科の専門家が網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたの出っ歯に関する疑問や不安が解消され、自信に満ちた笑顔を取り戻すための一歩を踏み出せるはずです。
目次
01.出っ歯(上顎前突)とは?
02.あなたの出っ歯の原因は?遺伝と後天的な習慣
03.出っ歯を放置するデメリットと将来的なリスク
04.出っ歯の主な矯正治療法を徹底比較
05.なぜ出っ歯治療で新横浜エス歯科クリニックが選ばれるのか
06.出っ歯矯正の治療開始から完了までの流れ
07.出っ歯矯正に関するよくあるご質問
出っ歯(上顎前突)とは?
出っ歯とは、一般的に上の前歯、あるいは上顎全体が下の歯や下顎に比べて過度に前方に突出している状態を指し、専門用語では「上顎前突」と言います。
この上顎前突は、その原因によって大きく2つのタイプに分類されます。
歯性の上顎前突
顎の骨の大きさや位置には問題がなく、主に上の前歯が前方に傾いて生えていることが原因で出っ歯に見えるタイプです。幼少期の癖などが原因で起こることが多いとされています。
骨格性の上顎前突
歯の傾きだけでなく、上顎の骨自体が過度に成長している、あるいは下顎の成長が不十分で後方に位置しているなど、顎の骨格に原因があるタイプです。
遺伝的な要因が影響することが多いとされています。
実際には、この両方の特徴を併せ持っているケースも少なくありません。
ご自身の出っ歯がどのタイプに当てはまるのか、また、どのような治療法が最適なのかを正確に知るためには、歯科用CTなどを用いて骨格まで詳細に分析する、専門医による精密な診断が不可欠です。
あなたの出っ歯の原因は?遺伝と後天的な習慣
なぜ出っ歯になってしまうのでしょうか。
その原因は一つだけではなく、「遺伝的要因」と「後天的な要因」が複雑に絡み合って生じることがほとんどです。
遺伝的要因
顔の形が親子で似るように、歯の大きさや顎の骨格も遺伝の影響を強く受けます。
特に、上顎の過成長や下顎が小さいといった骨格性の出っ歯は、遺伝的要因が強く関与していると考えられています。
ご両親やご親族に出っ歯の方がいる場合、骨格が似ることで出っ歯になりやすい傾向があると言えるでしょう。
後天的な要因(悪習癖)
遺伝以上に、子供の頃の無意識の癖や習慣が出っ歯の大きな原因となることが非常に多いです。
顎の骨がまだ柔らかい成長期に、特定の方向へ継続的に力が加わることで、歯並びや骨格が変形してしまうのです。
長期間の指しゃぶり
3〜4歳を過ぎても指しゃぶりの癖が続いていると、指を吸う力が上の前歯を前方に押し出し、同時に下の前歯を内側に押し込むため、出っ歯の典型的な原因となります。
口呼吸
アレルギー性鼻炎や扁桃腺の肥大などで鼻が詰まりやすく、日常的に口で呼吸する「口呼吸」が癖になっていると、様々な問題を引き起こします。
口が開いたままだと舌の位置が下がり(低位舌)、唇の筋肉(口輪筋)が緩みます。
これにより、内側からは舌、外側からは唇による歯列への力のバランスが崩れ、上の前歯が前方に出てしまいやすくなるのです。
舌で前歯を押す癖(舌突出癖)
食べ物や飲み物を飲み込む(嚥下する)際に、無意識に舌で上の前歯の裏側を押してしまう癖です。
この持続的な力が、歯を少しずつ前方へ押し出し、出っ歯や、前歯が噛み合わない「開咬」の原因となります。
下唇を噛む・吸う癖(咬唇癖)
下唇を上の前歯と下の前歯の間で噛んだり吸ったりする癖があると、上の前歯は前方に傾き、下の前歯は内側に倒れ込んでしまい、出っ歯を助長する原因となります。
これらの原因は複雑に絡み合っているため、専門的な診断なしに自己判断するのは危険です。
原因を正しく理解することは、適切な治療法を選択するだけでなく、矯正治療後の「後戻り」を防ぎ、美しい歯並びを長期間維持するためにも非常に重要です。
出っ歯を放置するデメリットと将来的なリスク
出っ歯を「見た目の問題」とだけ考えて放置してしまうと、お口の中だけでなく、心身の健康にも様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
虫歯や歯周病のリスク増大
出っ歯の方は唇が閉じにくく、無意識のうちに口呼吸になりがちです。
これによりお口の中が乾燥し、唾液による自浄作用や殺菌作用が低下するため、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなります。
結果として、虫歯や歯周病、そして口臭の原因となります。
前歯の外傷リスク
上の前歯が突出しているため、スポーツや日常生活での転倒など、不意のアクシデントで前歯をぶつけやすく、折ったり欠けたりするリスクが非常に高くなります。
咀嚼機能の低下と胃腸への負担
出っ歯の方は、前歯で食べ物をうまく噛み切ることが難しい場合があります。
これにより、十分に咀嚼されないまま食べ物を飲み込んでしまうことになり、胃腸への消化負担が増大する可能性があります。
顎関節症や全身の不調
噛み合わせのバランスが悪いと、顎の関節に過度な負担がかかり、「口を開けると痛い」「カクカク音が鳴る」といった顎関節症の症状を引き起こすことがあります。
また、この顎周りの筋肉の緊張が、慢性的な頭痛や肩こりの原因となることも少なくありません。
心理的なコンプレックス
口元の見た目を気にすることで、人前で話すことや笑うことに抵抗を感じ、自己肯定感が低下してしまうなど、精神的なストレスの原因となることも少なくありません。
このように、出っ歯の治療は、美しい笑顔を取り戻すだけでなく、将来の健康を守るための重要な「自己投資」でもあるのです。
出っ歯の主な矯正治療法を徹底比較
出っ歯(上顎前突)の治療には、症状の度合いや原因、そして患者様のご希望に応じて様々な選択肢があります。
ここでは、代表的な矯正治療法の特徴、メリット・デメリットを比較解説します。
マウスピース矯正(インビザライン)
患者様一人ひとりの歯型に合わせて作製された、透明で取り外し可能なマウスピース(アライナー)を段階的に交換していくことで歯を動かす、新しい治療法です。
当院では、世界1,500万人以上の実績を誇るトップブランド「インビザライン」を取り扱っています。
メリット
装置が透明で非常に目立ちにくく、周りの人に気づかれにくいです。
食事や歯磨きの際には自分で取り外せるため、衛生的で食事制限もありません。
ワイヤー矯正に比べて痛みが少なく、口内炎などのトラブルも起きにくい傾向にあります。
デメリット
治療効果を得るためには、1日20時間以上という厳格な装着時間を守る自己管理が必須です。
抜歯が必要な重度の出っ歯など、症例によっては適応が難しい場合があります。
ワイヤー矯正
歯の一つひとつに「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす、最も歴史と実績のある治療法です。
表側矯正
歯の表側(唇側)に装置を取り付ける一般的な方法です。
ブラケットの素材は、最も標準的で丈夫なメタル、歯の色に近く目立ちにくいセラミックなどから選べます。
メリット
ほぼ全ての出っ歯症例に対応可能で、治療の確実性が高いです。
デメリット
装置が外から見えてしまうため、審美性が気になります。
また、装置が唇や頬の内側に当たって口内炎ができやすいことがあります。
裏側矯正(舌側矯正)
歯の裏側(舌側)に装置を取り付ける方法です。
メリット
外からは装置が全く見えないため、審美性に非常に優れています。
デメリット
高度な技術を要するため、費用が高額になります。
また、装着初期に舌が装置に当たり、発音しにくさを感じることがあります。
外科的矯正
上顎の骨が極端に大きいなど、骨格的な問題が非常に大きい重度の出っ歯の場合に行われる治療法です。
矯正治療と、提携病院の口腔外科で行う顎の骨を切る手術(顎矯正手術)を組み合わせることで、噛み合わせと顔貌のバランスを劇的に改善します。
この「顎変形症」と診断された場合の外科矯正は、公的医療保険の適用対象となります。
注意:「自力で治す」ことの危険性
インターネット上などで見られる「出っ歯を自力で治す方法」は、絶対に試してはいけません。
指で歯を押したり、輪ゴムをかけたりといった行為は、歯や歯茎、歯根に深刻なダメージを与え、最悪の場合、歯が抜け落ちてしまう危険性もあります。
出っ歯の治療には、骨格や歯の状態を正確に診断した上での、専門的な力のコントロールが不可欠です。
必ず専門の歯科医師にご相談ください。
なぜ出っ歯治療で新横浜エス歯科クリニックが選ばれるのか
数ある歯科医院の中で、なぜ多くの方が出っ歯治療として新横浜エス歯科クリニックを選ばれるのでしょうか。
そこには、治療結果を左右する確かな理由があります。
理由1:圧倒的な実績を誇るインビザライン治療
当院が所属するエス歯科グループは、マウスピース矯正(インビザライン)の年間症例数において、インビザラインのランクで最高位の一つである「ブルーダイヤモンドプロバイダー」に認定されています。
グループ全体での累計症例数は2,500件を超えており(2025年10月現在)、この圧倒的な実績は、あらゆる出っ歯の症例に対応してきた豊富な経験と、それを裏付ける高い技術力の証です。
豊富なデータに基づき、より精度の高い治療計画を立案することが可能です。
理由2:先進設備による「診断力」へのこだわり
私たちは、最高の治療結果は「精密な診断」から生まれると考えています。
そのため、従来のレントゲンでは見ることのできない歯根の形や神経の位置、顎の骨の厚みまで三次元的に把握できる「歯科用CT」や、不快な型取りを不要にし、快適かつ精密な歯型データを得られる「3D光学スキャナー(iTero)」を全院に導入しています。
特にiTeroでは、その場で矯正治療後の歯並びをシミュレーションで確認することができ、患者様とゴールイメージを共有しながら治療を進めることができます。
理由3:各分野の専門家が連携する「チーム医療」
当院には、矯正治療を専門とする歯科医師はもちろん、インプラントの国際指導医、精密な根管治療を行う専門医、さらには静脈内鎮静法を担当する麻酔専門医まで、各分野のエキスパートが在籍しています。
出っ歯の治療と同時に虫歯や歯周病の治療が必要な場合でも、それぞれの専門家が連携し、口腔内全体を一つの単位として捉えた包括的で質の高い治療計画をご提案します。
理由4:価値に見合う、安全で確実な治療の提供
当院の治療費は、決して「格安」ではありません。
しかしそれは、先進の設備への投資を惜しまず、経験豊富な専門医が十分な時間をかけて診断・治療にあたることで、安全で確実性の高い、価値ある医療を提供しているからです。
私たちは、価格競争に陥るのではなく、患者様一人ひとりの将来の健康まで見据えた、質の高い治療結果で選ばれるクリニックでありたいと考えています。
出っ歯矯正の治療開始から完了までの流れ
実際に矯正治療を始める場合、どのようなステップで進んでいくのか、治療完了までの大まかな流れをご説明します。
STEP1:無料カウンセリング
まずは、患者様のお悩みやご希望を詳しくお伺いします。
治療に関する疑問や不安など、どんな些細なことでもご相談ください。
治療の概要や選択肢について分かりやすくご説明します。
STEP2:精密検査
正確な治療計画を立案するために、歯科用CTによる撮影や3D光学スキャナー(iTero)による歯型のスキャニングなど、詳細な検査を行います。
STEP3:診断・治療計画のご説明
検査結果を基に、コンピューター上で作成された治療シミュレーションをお見せしながら、最適な治療計画、期間、費用について詳しくご説明します。
内容にご納得いただけましたら、治療開始となります。
STEP4:治療前処置
矯正治療を安全かつスムーズに進めるため、虫歯や歯周病がある場合は先に治療を行います。
また、治療計画に応じてクリーニングや抜歯(必要な場合)を行います。
STEP5:矯正治療スタート
マウスピース矯正の場合は作製されたアライナーをお渡しし、取り扱い方法をご説明します。
STEP6:定期的な通院・調整
治療計画通りに歯が動いているかを確認し、装置の調整を行います。
通院頻度は、マウスピース矯正で2〜3ヶ月に1回が目安です。
STEP7:保定期間
計画通りに歯が並んだら装置を外しますが、治療はまだ終わりではありません。
歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」を防ぐため、「リテーナー」と呼ばれる保定装置を装着して歯並びを安定させます。
この期間が、美しい歯並びを生涯維持するために非常に重要です。
出っ歯矯正に関するよくあるご質問
Q1. 治療期間はどのくらいですか?
A1. 症例によって大きく異なりますが、全体的な噛み合わせを治す全体矯正の場合、一般的に1年半〜3年程度です。
前歯だけなど部分的に治す部分矯正であれば、数ヶ月〜1年程度で完了する場合もあります。
骨格や歯の動きやすさにも個人差があるため、まずは精密検査を受けることをお勧めします。
Q2. 費用は総額でいくらくらいかかりますか?
A2. 治療範囲や選択する装置によって費用は異なります。
当院の場合、マウスピース矯正(インビザライン・全体)で800,000円~1,300,000円、目立ちにくいセラミックブラケットで935,000円~が目安となります。
その他に、初回の精密検査料(通常38,500円のところ、キャンペーン価格19,250円)と、月々の調整料(3,300円~5,500円)が別途必要です。
当院では、費用の内訳を事前に明確にご提示しますのでご安心ください。
Q3. 治療中の痛みはどの程度ですか?
A3. 装置を装着した直後や調整後の2〜3日間は、歯が動くことによる圧迫感や鈍い痛みを感じることがあります。
これは歯が正常に動いている証拠でもあり、1週間ほどで徐々に慣れていきます。
痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤を服用することも可能です。
Q4. 大人になってからでも矯正できますか?
A4. はい、可能です。矯正治療に年齢制限はありません。
近年は、審美意識や健康意識の高まりから、30代、40代、さらには50代以上で治療を始められる方も非常に増えています。
ただし、成人の場合は歯周病などのリスクも考慮する必要があるため、より慎重な検査と治療計画が重要になります。
Q5. 抜歯は必ず必要になりますか?
A5. 必ずしも必要ではありません。
当院では「可能な限り歯を抜かない」ことを治療方針としており 、歯を並べるスペースが足りない場合でも、IPR(歯間削合)という方法で歯の側面を僅かに削ってスペースを作ったり、奥歯を後方へ移動させたりすることで、非抜歯での治療を目指します。
しかし、顎の大きさと歯の大きさの不調和が著しい場合など、抜歯をした方がより審美的で安定した治療結果が得られると判断されるケースもあります。
Q6. 目立たない装置はありますか?
A6. はい、ございます。
当院が最も得意とするマウスピース矯正(インビザライン)は、透明でほとんど目立ちませんので治療中の見た目のストレスを大幅に軽減できます。
Q7. Eライン(横顔のライン)は綺麗になりますか?
A7. Eラインとは、鼻先と顎の先端を結んだ線のことです。
出っ歯の方は口元がこのラインよりも前に出てしまうことが多いですが、矯正治療で前歯の突出感を改善することで、口元が下がり、Eラインが整って美しい横顔になる効果が期待できます。
Q8. 治療後に後戻りはしませんか?
A8. 矯正治療後の「後戻り」は、保定装置(リテーナー)を指示通りに使用しない場合に起こる可能性が最も高いです。
歯を動かす動的治療期間が終わった後も、歯並びを安定させるための保定期間は治療の非常に重要な一部です。
指示された期間、リテーナーをきちんと使用することで、後戻りのリスクを最小限に抑えることができます。
Q9. 治療中の食事に制限はありますか?
A9. マウスピース矯正の場合は、食事の際に取り外せるため、基本的に食事の制限はありません。
Q10. 医療費控除の対象になりますか?
A10. 見た目の改善だけを目的とする場合は対象外ですが、噛み合わせの改善など「機能回復」を目的とする医療行為であると認められれば、矯正治療費も医療費控除の対象となります。
当院の治療は医療費控除の対象となりますので、確定申告の際に手続きが可能です。
Q11. カウンセリングに行ったら、必ず契約しないといけませんか?
A11. そのようなことは一切ございません。
当院の初診カウンセリングは無料です。
まずは専門家として、あなたの歯並びの状態や考えられる治療法、メリット・デメリットを客観的にお伝えすることに徹しています。
その上で、ご自身が納得された場合にのみ、次のステップに進んでいただければ結構です。
無理な勧誘はいたしませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
Q12. 出っ歯は自力で治せますか?
A12. いいえ、絶対にできません。
ご自身で歯に力を加える行為は、歯根や歯茎に回復不能なダメージを与えたり、噛み合わせをさらに悪化させたりする危険性が非常に高いです。
安全かつ効果的に出っ歯を治すためには、専門医による精密な診断と、科学的根拠に基づいた治療計画が不可欠です。
必ず専門の歯科医院にご相談ください。
